|
IBM 704〔704 photos from IBM 〕はIBMが1954年4月に発表したコンピュータ。浮動小数点数演算ハードウェアを量産機として世界で初めて採用した。704 は IBM 701 のアーキテクチャと実装を大幅に強化したもので、互換性はない。 == 解説 == 701からの変更点として、ウィリアムス管の代わりに磁気コアメモリを採用した点とインデックスレジスタを3本搭載した点が上げられる。これらをサポートするため、命令は36ビットワードに拡張された。新しい命令セットはその後のIBM 700/7000 シリーズの科学技術計算系コンピュータの基本となった。 IBM 704 ''Manual of operation'' (下記外部リンク参照)から引用すると:
IBMは、毎秒40,000個の命令を実行できるとした。1955年から1960年までに123台が販売された。 プログラミング言語FORTRANとLISPは 704 上で初めて開発された。また、マックス・マシューズの開発した世界初のコンピュータ音楽プログラムMUSICも 704 で開発された。 1961–1962年、物理学者 John Larry Kelly, Jr と Carol C. Lochbaum はベル研究所で IBM 704 を使用して音声合成を行った。〔 〕 これはKelly–Lochbaumモデルと呼ばれる、ソフトウェア上でデジタル化された「声道アナログ・モデル」(声道を断面積の変わる複数の音響管(acoustic tube)で表現し進行波を計算する導波管モデル=初期のWaveguideシンセシス (物理モデル音源))で、〔 〕 1961年に歌(デイジー・ベル)も歌わせている(伴奏にマックス・マシューズのプログラムを使用)。〔 〕〔 1961年デイジー・ベルを歌った最初のコンピュータをIBM 7094とする文献もあるが、IBM 7094 の初設置は1962年9月とされており時期的に合わない。 〕このデモンストレーションをアーサー・C・クラークが実際に聴き〔Arthur C. Clarke online Biography 〕、『2001年宇宙の旅』でHAL 9000が同じ歌を歌うクライマックスのシーンが生まれた〔Bell Labs: Where "HAL" First Spoke (Bell Labs Speech Synthesis website) 〕。 エド・ソープは彼のブラックジャックゲーム理論で勝つ確率を調べる研究の道具として IBM 704 を使った〔ディスカバリーチャンネルのドキュメンタリーでのEd ThorpとVivian Thorpのインタビュー〕〔The Tech (MIT) "Thorpe, 704 Beat Blackjack" Vol. 81 No. I Cambridge, Mass., Friday, February 10, 1961〕。彼は研究モデルの方程式を作るためにFORTRANを使用した。 1957年秋、スミソニアン天体物理観測所の Operation Moonwatch で704が月の追跡制御に使われた。IBMは4人の科学者をスミソニアン天体物理観測所に派遣し、月の軌道計算を行った。 1959年、704は日本の気象庁で数値予報の導入に初めて用いられたコンピューターとなった。 数値予報とは、解析する大気の領域を有限個の格子点に分解し、それぞれの格子点に初期値を与えて、大気の状態を表す微分方程式を数値的に解く方法で、膨大な繰り返し計算を必要とする。 そのため、計算機の構造上、繰り返し計算に便利な仕組みを多く持つIBM704が選定された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「IBM 704」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|